バイクの歴史

現代社会の主要な乗り物の1つであるバイクの歴史をひもといてみると、非常に興味深いものがあります。
自動車や電車、飛行機などと比べると比較的シンプルな構造ではありますが、現代のバイクの形になるまでには、いろいろな苦労があったことをうかがい知ることができます。
これからバイクに乗り始めようという方も、すべにベテランの方もバイクの歴史を振り返ってみると、バイクへの愛着がより深まるに違いありません。

初めは蒸気機関で動いていた

バイクの歴史は意外と古く、1800年代の後半、パリの発明家が今日のバイクの原型となるものを発明したと言われています。
そして、その完成品を1873年のウィーン万博で発表したのが、世に出た初めてのバイクです。
当時は、ガソリンや電気による動力が開発されていませんでしたので、すでに開発されていた自動車と同様、蒸気機関を用いてバイクを動かしていました。

しかし、蒸気機関は安定した動力を確保できないことや、燃料の補給、機関部のスペースの確保などが難しいことから、ガソリン機関の開発が進むとすぐにガソリンによるバイクが世に出ました。
とは言っても、2輪での安定性を保つ技術がまだ十分に発達していなかったために、いわゆる補助輪を付けたものが主流でしたので、100パーセント2輪車というのには無理があった時代です。

アメリカで急速に商業ベースでの発達が進む

ガソリン機関に関する発達が進むと同時に、完全な2輪による自転車の開発も進んでいました。
そのため、自転車用に開発されたスポークやタイヤなどが、そのままバイクにも転用され、一気に現代のバイクの形に近づいてきたのです。

そして、20世紀に入ると、アメリカでバイクの発達が急速に進むことになります。
様々な企業が、商業ベースでのバイク生産に取り組むようになったからです。
特に、今日におけるハーレーダビッドソンという会社の始まりにもなった、ウイリアム・ハーレー並びにアーサー・ダビッドソンの二人が、モペットタイプの原型を作ったことで、大きな熱を帯びるようになります。

日本では戦後にバイク開発、生産が活発化する

日本では、戦前からある程度バイクの開発や製造は行われていましたが、航空産業などに押されて、あまり発達することはありませんでした。
しかし、戦争が終わると航空機などを作っていた技術者が、アメリカから入ってくる部品などを活用して、小型のバイクを作るようになります。

そして、現在でも主要メーカーとなっているいくつもの企業が、バイク開発に参加するようになったのです。
その中に、本田技研工業があり、すでに1952年に大ヒットとなったカブの初代機を完成させ、販売します。
こうして、日本でもバイクの歴史が本格的にスタートすることになったのです。